2008年9月24日水曜日

私淑

 林浩平さんより,メイルの返信あり.

 私が野村喜和夫さんととても親しくなっていることに,たいへん驚かれておられた.

 確かに私のエクリチュールと野村さんのそれとは,一見非常に異なったものであるが,例えば皆さんのご両親のことを想起して頂きたい.「この二人が,どうして一緒になったのか?」と言った疑問を抱かれたことはないだろうか.野村さんが私と懇意にしてくださるのは,詩における共通点があった,等と言うことではなく(同じ仏文出身という共通項はあるものの(しかしこれはとても重要な共通項だ.)),私が書いたものだけをご覧になった野村さんが,ひとりでどこへも顔を出さず,自分の部屋に引きこもり,燻っていた私を,陽の当たるところへ,導き出してくださったのである.

 以後,「こちらは野村リュウさんです.」と言うような紹介のされ方をした時期はあったものの,同じ文学を愛するものとして,最終的に性格の周波数が一致した,と言うのが,実際のところである.

 幾らお互いに共通項があったとしても,性格が合わなければ,親しくはなれない.私に足りないものを野村さんが補ってくださり,野村さんが Mac を使っていて窮地に陥ったとき,解決法を私がお勧めしたりするうちに,ウェルギリウスとダンテのように,次第に打ち解けていった,と言うのが本当のところ,としか言いようがない.

 正直なところ,いつから今のような関係になったのか,私にもよく分からない.野村さんはたいそうナイーブな方なので,親しくなるにはかなりの努力が必要だったはずなのだが,私の方から「合わせた」記憶はない.ただ,ひたすらに,出来る限りの誠意は尽くしたつもりである.

 それにしても,林さんが驚愕されたのであるから,野村Aと野村Bとは,余程想像を絶した組み合わせであるのに違いない.

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